開発の鉄人 リゾームに行く「100年の根っこ」|ガクセン - 優秀な学生を検索して採用するサイト

開発の鉄人 多喜 義彦による企業特別インタビュー 「100年の根っこ」

『日経ものづくり』 “開発の鉄人”コーナーの連載を持つ多喜義彦先生に、ガクセンに参画する株式会社リゾーム(以降、リゾーム)を特別インタビューしていただきました。

見出し 開発の鉄人 リゾームに行く 「100年の根っこ」

「下支え」という言葉がある。もともとは、景気や相場などが一定の水準以下に下がらないように、日銀などの中央銀行や行政機関の政策によって、その水準以下に下がらないようにすることである。要するに、放っておくと何かの原因で悪くなってしまうことを防ぐ、いわば、縁の下の力持ち的な行為である。

このような国政レベルでの下支えもあるが、よく見ると、それはさまざまな分野でも必要なことで、産業界においても実にいろいろな下支え企業がある。

この株式会社リゾームは、その下支えという意味では、これ以上の下支えはないと言えるくらいに下支えに徹している会社である。

なにせ、全国に展開しているおよそ4300にのぼるショッピングセンター(以下SC)や百貨店のテナント情報を網羅して、そのショップ(店舗)の出退店データベースを構築し、施主である商業施設はもとより、出店する(したい)ショップ双方の戦略立案に役立つ、まさにその基礎となる情報を提供している会社なのだ。

リゾームの社長は、中山博光氏。長らく、この業界で販売促進の仕事をしていたそうだが、今から25年前、SCのコンサルティングを頼まれたという。SCから見て有力なショップをいかに誘致するか、また、ショップの視点で、いかに勢いのあるSCに出店するか、そのアドバイスをしたのである。

それが、リゾームという会社の原点となる、リゾームのビジネスモデル、SCの総合ソリューションを提供する始まりであったのだ。

近代の新しい産業とも言える、大型SCのソリューション事業。鉄人は、それも新しい産業と言いたいのであるが、厳しい見方をすれば、SC自体の今後の盛衰は避けられない。

しかし、このソリューション自体に盛衰は有り得ない。なぜなら、SCや百貨店が良くなる時も悪くなる時も、全てのプレーヤーがリゾームのデータベースを見ながら戦略を練り、リゾームのデータを見ながら最終的に意思決定をするのである。

そうして見ると、リゾームが提供するサービスは下支えなどというレベルではなく、もっと深く重要なことと言えよう。その深く重要なことを、中山社長は「100年の根っこ」と、事もなげに言うのである。100年にわたる根っこ。その根っこに“自らがなる”とも受け取れるが、言い換えれば、この産業が100年にわたり健全に継続して欲しいという願いでもあるようだ。リゾームのビジネスモデルは、100年腐らない根っこを創る事業なのである。

真のソリューション

言うまでもなくソリューションとは、問題の解明や解決することを言う。世の中にはソリューションをうたったビジネスやサービスは星の数ほどあるが、本当に役立つ、または有難いと言えるソリューションは極めて少ない、と思うのは鉄人だけか。SIerと呼ばれる会社が、○○ソリューションと言いながら、実はただのパッケージソフトを売りつけるだけの姿を、一体、私たちはどれほど見てきたか。

クライアントのためにと言いながら、いかにパッケージソフトを数多く売るか、あるいは、バージョンアップと言いながら少し手を加えただけで売る、まるで化粧直しを繰り返しているように見えるので、いただけない。いや、いただけない、を通り越して、いい加減にしてほしい。

では、本当のソリューションとはどのようなことか。鉄人は、「汗をかくこと」であると言いたい。汗? 意外と思われるかもしれないが、汗なのだ。汗の意味は、いかにして手を掛けアイデアを出して、検索では出てこないデータを作り、それをユーザー(クライアント)の視点で使えるものにするか、それに尽きる。

リゾームのデータベースを見ればそれが分かる。例えば、SCや百貨店のテナントの出退店データがそうだ。一般的に、SCや百貨店に出店していたショップが退店するとき、堂々と広告を出すことがあろうか。多くはひっそりと、いや、むしろ知られないように退店するのである。

もちろん、もっと良い条件の商業施設に移転するために退店する場合もあるが、その場合も大手を振って出て行くような振る舞いはしない。立つ鳥跡を濁さずと同じように、サッと居なくなるだけで、大げさにすれば、お世話になった大家さんの迷惑になる。そんな大人げのないことはできないのである。

いずれにしても退店するショップの情報は人目につかないから、ネットで検索して出てくるものではない。だから、そこに汗が必要になるのである。現地に常時通うことは当たり前、常日頃からそのような情報を集めるためには、汗をかかなければ集まらない。それが汗の意味なのだ。

リゾームの意味

そして、汗をかいて作るデータベースは、クライアントのために機能的なデータにすることも重要だ。言うなれば、クライアントがリゾームのデータベースを開いて、そのデータを見た時に、自ずと戦略が見えてくるようにしなければいけない。

それは、植物に例えれば、土壌に浸み込んだ肥料や栄養素をいかにして幹や葉っぱに届けるか、それと同じである。幹を支える土台でもある根っこは、大地(土壌)にしっかりと根を張り、肥料や栄養素を吸い込んで、葉の隅々までに届ける仕組み、それがなければ、せっかくの肥料も栄養素も役に立たない。

実はフランス語で根っこのことをリゾームというのである。もうお分かりかと思うが、中山社長が付けた社名の由来は、このような意味なのだ。枝葉末節な改良を繰り返すだけでソリューションといってしまう多くのSIerとは、一味も二味も、いや、全く違う本物のソリューションを提供している、そのリゾームの思いが、「根っこ」という社名に表れている。

SCや百貨店、そしてそこに展開するショップに役立つ肥料や栄養素とも言える情報を、汗をかきながら収集し、それを確実に幹や枝葉に届ける大元(おおもと)が根っこであり、それが、まさにリゾームの目指すビジネスモデルなのである。

根っこが張れば果実が実る

リゾームが提供する実に多くのデータは、そう簡単に創れるものではない。それには汗も不可欠だが、同時にアイデアを付加することも大事なことである。例えば、出店を意図するショップから見て、自分の売りたい商品やサービスが、一体、どのようなSCや百貨店に入居すればいいのだろうかと、多くの人は悩むのである。

そこで、リゾームはこのようなショップに望む条件など、担当者が入力すればたちどころに最適候補を見せてくれる。まさに、コンサルティングもしてくれるということだ。コンサルティングを頼まれた経験を生かした中山社長ならではの切り口。それもリゾームならではのサービスなのだ。

例えば、ショップの構成が似通っているところに出店しても目立たないから、できるだけ独自性が顕著となるところに出たい。そんな要望に即座に応えられるシステムもあるし、相性の良いショップはどうかと聞けば、これもサッと応えてくれる。要するに、リゾームのデータはただの数字や統計ではない。長年、培ったノウハウや経験からの指標であり教示が詰め込まれているのである。

そうして、リゾームのデータという肥料や栄養素を吸いながら、ショップは育つ。そしてショップはもちろん、その大家であるSCや百貨店にも、利益という大きな果実が実るのだ。

100年の根っこ

こうして、リゾームはこれからもSCや百貨店、そしてそこで展開するショップというクライアントに役立つ情報を提供し続けることだろう。しかもそれが、クライアントに資する(助けになる)もの、つまり経営資源を享受するものになるならば、リゾームはクライアントにとってなくてはならない存在となる。

前述の通り、SCには盛衰もあるだろうが、それは、果実で言えば豊作か不作かということで、根っこが健全ならまた実るのである。それと同じように、リゾームがクライアントの根っこに徹するならば、その産業が在り続ける、少なくともこれからの100年、リゾームはしっかりと根を張り続けることだろう。

100年の根っこ。リゾームの根っこは、どれだけ深く、広く、張り続けるのだろうか。

株式会社リゾーム

【株式会社リゾームについて】
お客様の「情報価値」を最大限に引き出し、経営の成果に結びつける事が当社の存在目的です。「今を活かし、未来を創造する」を経営理念と定め、百貨店・ショッピングセンター・専門店などの流通・小売業界を中心に事業を展開しております。当社の分析システムは約600SC、全国の商業施設におけるショップ出退店データベース「SC GATE」は約1,800SCで採用されており、この分野ではシェアNo.1(※)となっております。

※(一社)日本ショッピングセンター協会の発表によると、全国のSC数は3,195です。(2015年12月末現在)

【本社所在地】
岡山県岡山市北区大内田675 テレポート岡山5F

【ホームページ】
http://www.rhizome-e.com/

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